Perry's chess diary

チェス初心者の記録

カスパロフ本

カスパロフのことをなんで知ったのか。ちゃんとは覚えていませんがディープ・ブルーの話に関心があって、そこから知ったのかなと思います。

ディープ・ブルーの話はネットにもいくつか短い解説が出ていてさっと眺めましたが、その中でカスパロフがいかに偉大なプレイヤーだったのかという話も出てきたように思います。チェスに限らず、15年連続世界チャンピオンと聞けば素人でもその偉大さはわかります。

もともとディープ・ブルーとの対戦に絡んだ本などを物色していた中で、カスパロフ自身が本を書いているのを知ったとか、そういうきっかけでこの本に興味を持ちました。 

決定力を鍛える―チェス世界王者に学ぶ生き方の秘訣

決定力を鍛える―チェス世界王者に学ぶ生き方の秘訣

 

 もともと(先日の完全なるチェスは日本語で読みましたが)原著が英語のものは英語で読むことが多いこともあり、こちらは原著を選びました。お題はHow Life Imitates Chess、「人生がチェスを真似している」と。(チェスが人生を真似しているのではなく) 

How Life Imitates Chess

How Life Imitates Chess

 

 本の表紙左下にfrom the Board to the Boardroomとあるように、ビジネスマンを相当意識した本だと分かります(ボードルームというのは企業の取締役会を行う会議室)。

この方、英語は母国語ではないはずですが、(ロシア語からの翻訳などではなく)最初から英語で書いていますね。(頭のほうで早速明確な英語のミスをみつけましたが)英語も十分お上手なようです。しかしたまに(文法的な誤りではなくても)何を言いたいのかよくわからないといったことも散見されます。

本を出版した後の前書き(事情をよく知りませんが第二版とか第三版とかで、ありますよね)というのがあって、その中で、チェスのプレイヤーはもっとチェスのことを書けと、逆にビジネスマンはもっとビジネスのことを書けといった不満(意見)があるようだといったことを書いておられまして、その他冒頭読んでるだけでもかなり「ビジネス書」的な感じだとわかります。

自分に多大な影響を与えた人物として(冷戦下の東側の人物なのに)第二次大戦時のイギリスの首相のチャーチルを挙げています。今ふと「どこに出てたっけな」と検索して分かりましたが(← 電子書籍のメリット)、この後何度もチャーチルのことを言及しているようです。ご自身が政治活動をされているだけあって色々と造詣が深そう。

などと思いながら今「戦略の重要性について」みたいな箇所を読んでいたら、孫子もさることながら、なんと大前研一氏まで出てきてちょっと驚いて今このエントリーを書いています。

多分これ(の英訳)からの出典だと思いますが、大前研一氏の戦略家についての著述が引用されてました。

大前研一氏も好きだったので、カスパロフ大前研一氏もそれぞれやるなぁと思わずにやり。 

企業参謀 (講談社文庫)

企業参謀 (講談社文庫)

 

 

 

 

「完全なるチェス」読了

今読み終えて感じることは、これは読んでいる最中も感じていたことですが一言で言えば「まじきち」ということでしょうか。

女性とのお付き合い、あるいは恩人とのお付き合い、あるいは広範に世間一般とのお付き合いの内容があまりにも異常でかつ異様です。

私が最近読んだ伝記だとJobsの伝記、そしてベゾスの伝記があり、二人も奇人変人として知られている一方で、特にJobsについては「この人の下では働きたくない」と強く思う一方で、その人柄に惹かれる点が多々あります。

一方でフィッシャーの奇人っぷりはそういったプラスのカリスマさは(チェスの内容を除いて)見られず、ダークな方面でのカリスマさというか、ひたすら「それは人としてありえない」という方向性での異常さが目立つという印象です。

本のあとがきに著者が「これはチェス本ではなく伝記」と書いていますが、実際にその通りです。この本を読んでも多分チェスが強くなることもないでしょう。ビジネス書的な有用性もありません。

そして伝記は通常その対象の人格に対してプラスのイメージを持って読み進めるわけですが、正直この本を読んでボビー・フィッシャーを好きになるということはありませんでした。

チェス界の有名な人達が色々と出てきてその人達とフィッシャーとの関わりも描かれているのでチェス好きな人が一般教養として読むのにはいいとは思います。

今進めている(そしてMate in Twoになって進行がとても遅くなり、本当に何年かかるかわからない)「電話帳」の作者のポルガーさんも出てきます。一時期フィッシャーと懇意にしていたようです。

 

完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯

完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯

 

 

フィッシャーとカスパロフ

「完全なるチェス」をゆっくり読んでいます。(相変わらず、先日のNHK BSの特集番組との乖離は随所に見られます。)

このお二人、対局したことはないみたいですが、カスパロフはフィッシャーの影響をかなり受けていて「神様のように崇めて」いたとのこと。この辺はいずれカスパロフ本でも確認してみたいところですが、「完全なるチェス」では、例の20年を空けてのスパスキーとの一戦前に、カスパロフが「フィッシャーがいまも強いとはとうてい思えない」とちょっとDisった発言をしているとのこと。この本は個別の発言にちゃんとソースがついているのでおそらく実際にそういう発言をしているのでしょうね。

一方でフィッシャーはこのスパスキーとの対戦の合間の会見では「あの男(カスパロフ)は病的な嘘つき」とかぼろくそに言っているそうでなかなかお互い難しい関係だったように思えます。

 

完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯

完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯

 

 

 

The Mammoth Book of Chess

`Learn Chess'の次で色々と悩んでいましたがこれにしました。 

The Mammoth Book of Chess (Mammoth Books)

The Mammoth Book of Chess (Mammoth Books)

 

 序章を読んで今本編の1章目にあたるDelivering Mateという章の半ばです。読んでいるというよりは解いているという感じです。

その前にFAQの章があって、読んでいるとたとえばカスパロフが新団体を設立してその後どうこうとか、全く知らなかった話が出ていて「へー」とは思いましたが全般的に少しうんちく系の話が多いような気がします。たとえばMating Patternについて説明する中でこれは何々パターンだという名前の話だけではなしに、遡ると1,400年代に云々とか、そういう少しおまけのうんちく話があって、その辺はお好みでしょうか。

amazon.co.jpにはレビューはなくてamazon.comではKindle Editionはちょっと見づらいといったレビューもあるんですが、多分その後改善されたのかもしれません。序章というか前書きの中に第1版、第2版、第3版の後にKindle Editionのための前書きというのがあって、多分Kindle化にあたってちゃんと作業をしたんだろうなと思います。私が見る限りは(少なくともKindle PWでは)見づらいということは全くないし、その前書きでも書かれてましたが結構リンクとかあって便利です。

 

少し足踏み、しかし「電話帳」は進捗

ChessmasterでのRatingが1,100あたりで足踏みしています。そう言えばLearn Chessの復習もMaterialの説明のあたり(半ば弱)でやめてしまいました。一つにはTacticsとかは多分別の本でやるだろうということで。

一方で「電話帳」は最初のMate in Oneの306問は終えました。 

Chess: 5334 Problems, Combinations and Games

Chess: 5334 Problems, Combinations and Games

 

 下にKindle版の目次がありますが、見ての通りMate in Twoがボリューム的には主体なんだと思いますがとりあえずMate in Oneも306問あります。レベル的にはNoviceの私でも大半はほぼ即答、たまにケアレスミスといった具合です。

最初の160問ぐらいは駒もかなり少なくて本当にチェスを始めたばかりの人でも問題ないレベルです。後半は駒はかなり増えます。

Mate in Oneなので基本的には(多少悩むことはあっても)解けるのですが、Mate in Oneだと事前にわかっているから解けるのであって、そうでなければ「気付かない」ことはありえると思います。

chess.comのForumで誰かが書いてましたが最初はこのMate in Oneの全問を一週間で一巡させてMate Patternを身体に染み付かせるのがいいといったアドバイスがあり、ちょっと大変だけどせめてもう一巡ぐらいはやってみましょうか。(Mate in Twoと平行して)

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一方で特に序盤の160問ぐらいは(学習目的とはいえ)ちょっと実戦でお目にかかるのか疑問だなという人工的な配置があったのと、305と306がトリッキーさを超えて「え!」と思うような問題でした。下に306を載せてます。数分考えてどうにもわからなくて答えをみて「え!」と。暫く改行してから答えを載せます。

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答えはab6でした。en passant直前のBlackのmoveを書いてくれないとこれは気付かないです。ちなみに305の答えはCastlingで動いたRookによるチェックメイト

ChessmasterのPosition Setup

次に読みたいChess本はたくさんあるのですが、とりあえず逸る気持ちを抑えてLearn Chessの復習を始めてます。その復習と絡めてChessmasterの機能のご紹介を。

ChessmasterはPosition Setupの機能(Play→Set Up Position)があります。Learn Chessを読んでいて説明や演習の際によく使ってますが、自分でWhiteとBlackを動かしながら本を読んでいます(もちろん、分岐も作れます)。その他、Positionを作った上で、CPUとの対戦もできて、公称900人の仮想人格と対戦することができます。

Materialの説明の中で、下のポジション(Black to Play)を例示していて、本の中では恐ろしく強いFritz(Black)と対戦して、いかに勝つかという説明がなされています。 

 

 

その内容を踏まえて、通常BishopやKnight1つ分の優位があれば簡単にちゃんとやれば勝てるという話があって、著者の勧めもあり、演習として自分も取り組んでみました。

GMクラスはやめておいて、Rating2,000ぐらいの人(仮想人格)とやってみましたが、ちょっと自分が遊ぶとさくっとやられて驚きます。確かにこれはいい演習になるなと思いました。