「完全なるチェス」読了
今読み終えて感じることは、これは読んでいる最中も感じていたことですが一言で言えば「まじきち」ということでしょうか。
女性とのお付き合い、あるいは恩人とのお付き合い、あるいは広範に世間一般とのお付き合いの内容があまりにも異常でかつ異様です。
私が最近読んだ伝記だとJobsの伝記、そしてベゾスの伝記があり、二人も奇人変人として知られている一方で、特にJobsについては「この人の下では働きたくない」と強く思う一方で、その人柄に惹かれる点が多々あります。
一方でフィッシャーの奇人っぷりはそういったプラスのカリスマさは(チェスの内容を除いて)見られず、ダークな方面でのカリスマさというか、ひたすら「それは人としてありえない」という方向性での異常さが目立つという印象です。
本のあとがきに著者が「これはチェス本ではなく伝記」と書いていますが、実際にその通りです。この本を読んでも多分チェスが強くなることもないでしょう。ビジネス書的な有用性もありません。
そして伝記は通常その対象の人格に対してプラスのイメージを持って読み進めるわけですが、正直この本を読んでボビー・フィッシャーを好きになるということはありませんでした。
チェス界の有名な人達が色々と出てきてその人達とフィッシャーとの関わりも描かれているのでチェス好きな人が一般教養として読むのにはいいとは思います。
今進めている(そしてMate in Twoになって進行がとても遅くなり、本当に何年かかるかわからない)「電話帳」の作者のポルガーさんも出てきます。一時期フィッシャーと懇意にしていたようです。
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